昔の漆塗りの金仏壇は、その美しさを追求するため職人たちの技術の粋を集めてつくられています。
これらのほとんどのお仏壇は、あらかじめ修復することを想定してつくられているため、分解して修理ができるようになっています。
修復され組み立て直された金仏壇は、新品同様に美しく生まれ変わります。
金仏壇の修復工程
0.修復前の御仏壇
金箔がはがれ、彫刻などが外れています。
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1.お仏壇を解体
お仏壇を組み立てる前の状態にバラバラに分解します。打ち付けてある飾り金具などもすべて取り外します。
写真は宮殿の部分です。
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2.荒研ぎ
塗料・金箔をすべて研ぎ出し、白木の状態に戻します。
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3.木地の補修
傷んでいる木地を補修し、金具が打ち付けてあった釘穴を埋めます。
反りや傷みがひどい部品は、つくり直して交換します。
にかわで接着されている部分を一度分解し、接着し直します。
これらの工程がよい修復のために一番大事な作業となります。
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4.下地塗り・下地研ぎ
下地(との粉)で「塗って研ぐ」という作業を数回繰り返します。
よく乾かすことも大事です。
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5.上塗り
上塗りも「塗って研ぐ」という作業を数回繰り返します。 繰り返すことによって新品の頃の光沢を蘇らせます。
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6.金箔押し・蒔絵
表面にムラなく均等に本金箔を押していき、本金手描き蒔絵を施します。
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7.金具打ち
金箔を押し終わったら、金具工場で純金メッキ直しされた金具を打ちつけます。
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8.組み立て
熟練された職人のみが組み立てます。
修復の工程は、新品のお仏壇をつくるときとほとんど同じ作業工程です。
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9.修復費用・納期
修復代は新品商品の5割位の費用で、新品同様に美しく生まれ変わります。
修復納期は約2〜3ヶ月位頂いております。
50年〜100年経過したお仏壇でも修復が可能です。(まずはご相談下さい)
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漆塗りの金仏壇は、木地師、塗師、金箔押師、宮殿師、彫刻師、蒔絵師、飾り金具師の通称「七職」と呼ばれている職人集団によってつくられています。
たとえば「塗師」は、研磨された木材に漆を塗り、それを研ぐという作業を繰り返し繰り返し何度も行います。
漆を塗るという作業だけでもとても繊細で難しい作業で、塗る漆の量が少し多くても少なくてもムラができてしまいます。
漆は温度や湿度によっても微妙に仕上がりが違ってくるので、天候にも細心の注意をはらわなくてはなりません。
こうした職人の卓越した技が、どの工程にもたいへんな手間を掛けて施されています。
それだけ手間を掛けているからこそ、修復された金仏壇はつくられた頃の美しい輝きを取り戻せるのです。