大分市萩原の大仏堂製作所では、古い仏壇の修復に取り組んでいます。 『仏壇ブーム』の時代だった昭和50年代、量産のための製造工場が由布市庄内町に何軒かでき、大仏堂の工場もそのころ創業しました。今では製造だけでなく修復にも力を入れ、九州各地から古い仏壇が運ばれてきます。 修復作業ではまず、接合に使われている「にかわ」を取って仏壇を解体します。表面のうるしも除いて木地の状態に戻します。傷があれば修復し形を整え、仏壇専用の「との粉」を塗って乾かす工程を7〜8回繰り返し、そしてサンドペーパーで研いで仕上げます。 続いて「塗り」の作業。うるしには多くの種類があって使い分けられます。手作業で刷毛塗りをする場合もありますが、技術の革新により現在ではスプレーガンで吹きつける手法が主流になりました。少しの塵の付着も許されないので作業室には1人で入ります。うるしでかぶれるのを防ぐため換気も重要です。 次に、茶色の下地用うるしを塗った部品に慎重に金箔を張りつけます。さらに彫刻などのパーツにも張っていきます。金具は金メッキや金箔を施してピカピカにし、元の位置に取り付けます。最後に部品を組み立てて完成です。この工程で通常2〜3ヶ月かかります。
大仏堂では7人の職人が仏壇の製造・修復に携わります。近年は職人兼営業のオールマイティな働きも求められますが、それでも私たちの仏壇づくりへの情熱に揺るぎはありません。 以前、仏壇を修復したお宅のおばあちゃんが涙を流し、私たちに手を合わせていただいたこともありました。仏壇は先祖供養のためにその家の方々が長い間大切に拝むものです。そこに込められた魂や思いを受け継ぐことに意味があります。多少の手間をかけても修復をお勧めするのはそのためです。まずは無料でお見積りいたしますのでお気軽にご相談ください。 吹けば飛ぶような薄い金箔をシワにならないよう注意深く張っていきます。下地が乾く前に張らなければなりません。時間との闘いでもあります。 昔の仏壇には良質の天然木が用いられていることが多く、仏間に長く置かれて乾燥がきいているため材質が高いのです。修復すれば後世まで使え、骨董的な価値を持つこともあります。家の中の古い仏壇は「宝物」といっても過言ではありません。 |
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